GEOENG 地質学と建設コンサルタント(理学と工学の融合へ)

耐震設計定数


耐震設計上の地盤種別
2021.7.6
 耐震設計の分野では地盤の基本固有周期TGで、地盤種別に分類し、各種の検討を行う。

 表-1.耐震設計上の地盤種別(道路橋示方書)
地盤種別
地盤の基本固有周期TG(s)
T種
TG<0.20
U種
0.20=<TG<0.60
V種
0.60=<TG

 TG=4Σ(Hi/Vsi)
  Hi:i番目の地層の厚さ(m)
  Vsi:i番目の地層のS波弾性波速度(m/s)

 ここで,上式は、私が利用する示方書や指針において説明が見当たらないが、表層地盤の運動方程式の解から、次の第1次振動モードの固有周期によるようである。
  地盤の固有周期Tm,表層地盤の固有円振動数ωmとして。
  Tm=2π/ωm
   ={4/(2m-1)}・H/Vs, m=1,2,3・・・
  第1次振動モード(m=1)の固有周期 T1=4H/Vs

 参考文献;志波由紀夫「地盤応答スペクトル」の提案と計算例,第31回土木学会地盤工学研究発表会講演論文集,2011

設計水平震度
2021.7.7
 一般的に行われている静的な耐震解析の震度法は、地震力を静的な力、すなわち慣性力に置き換えて構造物に作用させて発生応力を計算する方法である。
 この地震力をFhとすると、Fh=(αh/g)・Wと式化される。ここで、αhは対象地震の加速度、gは重力加速度、Wは構造物の重量である。耐震設計ではαh/gは設計水平震度と呼ばれる。
 設計水平震度は、地震加速度、構造物の固有周期及び地盤特性と関係している。道路橋示方書では、レベル1地震動(通常レベルの頻度の高い地震による)、レベル2タイプ1地震動(プレートが沈み込む海溝付近で発生し、津波の発生がありうる大規模地震による)、レベル2タイプ2地震動(兵庫県南部地震や新潟地震に代表される活断層直下型大規模地震による)の3タイプの地震動に対して、地盤種別ごとに、構造物の固有周期と設計水平震度の関係が折れ線グラフで図示されている。
 また、地盤工学分野では、次のように事業体及び対象ごとに設計水平震度が決められ、地域係数などで補正して耐震設計に運用されているので、留意が必要である。

表-2.道路橋に関する地盤の設計水平震度の変遷(近年)
地震動 道路橋示方書
訂正年月
地盤種別
T種
U種
V種
レベル1地震動

平成14年3月
0.16
0.20
0.24
平成24年3月
0.16
0.20
0.24
平成29年1月
0.16
0.20
0.24
レベル2地震動
タイプ1
平成14年3月
0.30
0.35
0.40
平成24年3月
0.50
0.45
0.40
平成29年1月
0.50
0.45
0.40
レベル2地震動
タイプ2
平成14年3月
0.80
0.70
0.60
平成24年3月
0.80
0.70
0.60
平成29年1月
0.80
0.70
0.60
道路橋示方書 V耐震設計編

 表-3.擁壁工を対象とする設計水平震度の標準値 kH0
地震動
地盤種別
T種
U種
V種
レベル1地震動
0.12
0.15
0.18
レベル2地震動
0.16
0.20
0.24
(H24道路土工-擁壁工指針,p171)
(注)擁壁工のレベル2は表-2のレベル1と同じ

 表-4.液状化判定に用いる設計水平震度の標準値 
地震動
地盤種別
T種
U種
V種
レベル1地震動
0.12
0.15
0.18
レベル2地震動
タイプT
0.30
0.35
0.40
タイプU
0.80
0.70
0.60
(H24道路土工-軟弱地盤対策工指針,p168)
(注)液状化判定のレベル2は表-2の平成14年のレベル2と同じ

 表-5.地盤の安定解析に用いる設計水平震度の標準値
地震動
地盤種別
T種
U種
V種
レベル1地震動
慣性力用
0.08
0.10
0.12
レベル2地震動
慣性力用
0.16
0.20
0.24
(H24道路土工-軟弱地盤対策工指針,p171)
(注)地盤の安定解析のレベル2は表-2のレベル1と同じ

以上 

inserted by FC2 system