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物理探査


物理探査
2019.2.19
 地質学による地表地質調査は、渓流や林道の露頭を丁寧に調べ、記載し、ルートマップにまとめて、地質図学によって地質平面図を作成し、同時に地質断面図を作ります。
 この断面図は地質学の地層累重の原理や火成岩の噴出・貫入・定置の火成岩生成の原理基づいて描かれますが、各地層の正確な深度や風化程度や地層の強度・物性が分かりません。
 このため、土木調査や資源調査では、実際に地層を採取するコアボーリングと物理探査が行われています。ボーリングは外径φ66〜100mm程度のコアを採取することが一般的で、実際の地層の深度が判明しますが、費用がかかり、調査地点を厳選し計画的に実施されます。
 この当然限られたボーリング調査(直線状・針状のデータ)を補完し、広範囲の地層の物性や地下水状況を捉えるために、物理探査が行われます。物理探査手法には、電気探査(比抵抗、自然電位)、弾性波探査(屈折波、反射波、表面波)、放射能探査等が実際に多用されている。近年は、多数の観測データをコンピュータ解析し二次元的に高精度の物性断面図を作成する電気探査トモグラフィーや弾性波トモグラフィーが有益なデータを提供すべく実用化された。

高密度屈折法弾性波探査法
2019.2.19
物理探査 第54巻第1号,1-20頁(2001),日本物理探査学会SEGJ
 羽竜忠男・伝法谷彰人:「高密度屈折法地震探査における最適インバージョン」

 資源開発のみならず土木地質調査法として、起振点と受振点の数を多くし密度を高くした高密度弾性波探査(二次元弾性波探査、トモグラフィとも呼ばれる)が実用化され、地すべりや崩壊斜面の調査やダム・トンネル調査で活用されている。
 本論文では、走時解析によるフォワードモデル(理論モデル;フェルマーの原理に基づく幾何光学モデル)と繰り返し演算による逆解析法(インバージョン)について、理論式の展開を行い、次に仮定した三層構造(三層目の岩盤は花崗岩[Vp=5000m/s]に30度の傾斜不整合で上載する第三紀層[Vp=2500m/s])のモデルに対して、はぎとり法(フォワードモデル)とインバージョン解析を行い、誤差や分解能を評価している。
 最後に、実際の観測データ(岩手県大船渡の下部白亜系;砂岩・れき岩を主とする)の解析を行い、地表のデータのみからの解析に比較し、はぎとり法を行い、その解析断面を事前情報としてインバージョン解析を行うと誤差や分解能が優れていることが報告された。

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