設計計算または構造計算 |
---|
2021.6.12 |
|
・支持力公式による直接基礎の支持力度計算 ・杭の支持力、たわみ、杭頭変位計算 ・擁壁やボックスカルバートにかかる地表土圧計算 ・トンネルなど地下構造物の掘削に伴うゆるみ土圧計算 ・鉄筋コンクリートの部材、配筋を決定する構造計算 ・橋などのPCコンクリート部材の設計計算 ・鋼橋や鉄塔等の鋼部材構築物の構造計算 ・河川,水路,管路の流量計画と河積,断面決定に用いる流量計算(等流計算,不等流計算) ・浸透流解析(有限要素法FEM含む) ・地盤−構造物系解析FEM また、耐震設計の分野では国内で次の計算手法が使われている。 ・静的解析法;震度法(土構造物や擁壁等のコンクリート構造物など広く適用される簡易的な解析法。地盤種別と設計水平震度kH,地域特性や構造物の固有周期による),応答変位法(構造物の動きが地盤の動きに追従するボックスカルバート,シールドトンネル,U型擁壁等の地中構造物に適用する),堤防等の静的な地震時変形量解析[地震による剛性率低下を推定し利用する液状化流動沈下解析FEM](ALID)等が行われている。 ・動的解析法;観測地震波形や減衰定数を用いて振動系の運動方程式を解く、コンピュータ計算による。応答スペクトル法,時刻歴応答解析法,周波数応答解析法,堤防等の動的地震時変形量解析(FLIP)等がある。一般に、入力ファクターが多く、解析結果の有効性を確保するために精度の高い地盤調査と物性取得試験が必要と言われている。 |
|
|
地盤や材料の構成要素や発生応力度の単位(SI単位) |
---|
2021.6.12 |
|||||||||||||||||||||||||||||
ちなみにニュートンの力学の第二法則から、力F=質量m×加速度αですが、土木設計では通常、重力加速度9.8m/s2=10m/s2を使うものとされています。 【土質・岩盤から成る地盤】 1)単位体積重量(kN/m3) サイトの地盤状況により、粘性土17kN/m3、砂質土18kN/m3、礫質土20kN/m3、軟岩23kN/m3など、地質調査結果あるいは一般値を採用する。 土木設計に用いる一般値として指針等に掲載されて値は、湿潤密度をいうことが多い。正確には飽和重量、湿潤重量、乾燥重量は、現地密度試験、土粒子密度・含水比等の土質試験によって判明する。 設計時は地下水以下にある土の単位体積重量は、飽和土の場合は10kN/m3を引いた値、不飽和土の場合は9kN/m3を引いた値とされ、飽和していない湿潤土から9kN/m3を引いた値が水中重量として構造計算に使用されることがある(H22道路土工-盛土工指針,p94,p101)。ただし、安定計算や浮力を計算する場合は、この限りではない。設計計算では安全側か危険側かのジャッジが必要とされる。 表-1 一般的な土の単位体積重量(kN/m3)
2)水(地下水を含む)、間隙水圧を計算する。 地下水 1000kgf/m3=10,000N/m3=10kN/m3 3)土の粘着力(kN/m2) 4)土の内部摩擦角(度、Excel等の計算にはラジアン) 5)荷重P(N、kN)(N;Newton,第2法則 F=mα) 10tf=10,000kgf=10,000kg×9.8m/s2=100,000N=100kN 6)変位(m,cm,mm) 7)応力、材料の圧縮強度や引張り強度(kN/m2) 地盤改良強度10kgf/cm2=100,000kgf/m2 =1000,000N/m2=1000kN/m2=1.0MPa=1.0N/mm2 (注)1.0N/mm2=1.0×E+6N/m2=1.0MPa 地耐力30tf/m2=30,000kg/m2=300,000N/m2=300kN/m2 変形する軟岩の一軸圧縮強度上限値 200kgf/cm2=20MPa 8)弾性係数Eやせん断弾性係数(剛性率)G 例えば構造物基礎の弾性係数(変形係数)仕切り値E1 E1=5,000kgf/cm2=5,000×10×1.0E+4=5.0E+8 N/m2 =500E+6N/m2=500MPa また、弾性理論で、G=E/2(1+ν)とされる。 ν;ポアソン比 土質0.35,岩0.30など 9)地盤の弾性係数(変形係数) 基礎設計や耐震解析では平板載荷試験Epが代表値とされる。 計測しやすい孔内水平載荷試験による弾性係数をEbとすると、 平板載荷試験による弾性係数Ep=4Eb(道路橋示方書など) ここで、 N値からの推定式;Eb=7×N値(kgf/cm2) [吉中の式] Eb=7×N値(kgf/cm2)=7×10×100×100×N値(N/m2) =7 E+5×N値(N/m2)=700×N値(kN/m2) したがって、Ep=4Eb=2800×N値(kN/m2) 例えば、N値=20のとき、Eb=700*20=1.4E+4(kN/m2) よって Ep=4Eb=5.6E+4(kN/m2) 【鋼及びコンクリートから成る構造物】 1)寸法(m;原則ミリ単位まで表記、またはmm) 2)水の単位体積重量(kN/m3) (水圧検討)海水10.10kN/m3、(浮力検討)淡水9.81kN/m3 3) 部材の単位体積重量(kN/m3) 鋼材・鉄筋 7850kg/m3×9.81m/s2=77.0kN/m3 無筋コンクリート23.0kN/m3、鉄筋コンクリート24.5kN/m3 4)荷重(kN/m2) 群衆荷重5.0kN/m2=5,000/10kgf/m2=500kgf/m2 車両活荷重10kN/m2=10,000/10kgf/m2=1000kgf/m2 5)コンクリートや鋼材の許容応力度(N/mm2=MPa) 鋼材SS400 基準降伏点235N/mm2、 (安全率1.7)引張り許容応力140N/mm2 など 6)弾性係数(N/mm2=MPa) 7)力F、軸力N (N、kN) 8) 応力σ、強度(N/mm2) 1N/mm2=1MPa=1000kN/m2 9) モーメントM (N・m,kN・m) 10)断面係数Z(m3、cm3);図心軸における断面二次モーメント/縁端距離。部材縁端応力σ=N/A±M/Z(A:有効断面積) |
|||||||||||||||||||||||||||||
2022.11.20 【出典】岡由剛「土木に見る その11 数字」土木学会誌,Vol.94,No.6, June,2009,p38. 1.鉄鋼記号 鉄鋼記号は原則として次の三つの部分から構成されている。 (1)材質 鋼やステンレスなど (2)規格名 構造用鋼材、異形鉄筋など (3)種類(数字) 最低引張り強さ、降伏点あるいは耐力など SS400の場合、材質がS:Steel(鋼)、規格名がS:Structure(構造用)、最後の数字は最低引張り強さ400N/o2を表している。このように構造用材の場合、強度が重要なため、最後の数字の部分は最低引張り強さか耐力が用いられる。 鉄筋の場合、例えば異形棒鋼のSD345は、DはDeformed barの頭文字で、降伏点または0.2%耐力の下限値が345N/o2であることを表している。 また、次の規格材料は記号に次のような意味をもつ。 ・加工性が重視される機械構造用炭素鋼鋼材の場合は、(3)は炭素量代表値を示す。 ・規格名は英語の頭文字だけではなく、一般構造用炭素鋼鋼管 STK; Steel Tube Kouzou,鋼管矢板 SKY; Steel Koukan Yaitaなど、ローマ字の頭文字で表す英語・日本語混合名となっているものもある。 2.材料規格のSI化 1991(平成3)年1月に鉄鋼JISがSI単位化された。「鉄鋼材料規格のSI単位切換指針」で、応力の切換えでは切換係数は国際標準値G=9.80665とし、引張り強さは10N/o2とび、降伏点や耐力は5 N/o2とびで丸めることになった。このため、SS41は41kgf/o2が402 N/o2となりSS400に、SD35は35 kgf/o2が343 N/o2となりSD345となった。 表-2. 一般構造用圧延鋼材の記号新旧対照表
表-3. 異形棒鋼の記号新旧対照表
なお、記事では従来単位のSS41、SS34の由来について、米国規格のヤード・ポンド法(psi;pound per square inch)からの変換や、1940年代前半の戦時規格(臨JES)などに触れ解説している。 |