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ジオパーク構想


ジオパーク(Geopark)
2015.11.29
 地形や地質の学術的遺産をベースに、動植物の生態系、地方の歴史や文化を取り入れ、教育的活動を継続的に行う団体と地域を、ユネスコの機関が世界ジオパークとして認定している。下部組織として日本ジオパーク委員会があり、日本国内のジオパークを認定している。
日本ジオパークネットワーク

日本国内のジオパーク
2016.7.18
 日本では、火山災害の教育の点から「島原半島・雲仙」、「洞爺湖・有珠山」、地形地質の学術的な特徴から、「糸魚川・フォッサマグナ」、「山陰海岸」、「アポイ岳(日高山脈南端)」などが世界ジオパークに認定されている。

 日本列島は、地質学的には島弧であり、太平洋プレート及びフィリピン海プレートの沈み帯(収束帯)にあたり、各種の変成岩が分布し、かつ火山活動が盛んである。また、地震・津波の多い変動帯に位置する。したがって、日本各地に貴重な変化に富む地形・地質的な文化遺産が散在し、いたる所でジオパーク化が可能である。実際は市町村と教師などが連携し、地学・自然環境に関する教育活動が盛んなところがジオパークとなっている。
 最近では、東日本大震災で大津波の被害にあった三陸海岸ジオパーク、岩手・宮城内陸地震の地すべり被害が特徴的だった栗原地域のジオパークなどの認定があった。

 ジオパークは地元の教育関係者と地方自治体、観光促進団体が中心となって運営されているわけであるが、近年の日本列島の地震、津波、豪雨、火山噴火という大規模自然災害の被害発生を顧みると、動植物を含む環境保全と地学現象の教育を目的とした本来の目的を運営の根本理念とすべきで、これ抜きでは観光客の増減だけに注目し、次第にユネスコ主導のジオパークの存在意義が薄れ、いずれ消滅して行く運命にあるものと危惧される。
    

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