絆 津波から命を守るために(組織委員会) |
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2024.4.17 |
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2011年・東北地方太平洋沖地震津波の海岸施設や港湾の復旧状況、地元民の自助・共助の実際と課題、合わせて和歌山県・静岡県・高知県などの津波防災活動や防災施設構築の取り組みを扱っている。 本書は、研究者、海岸・港湾復旧関係者、地元の避難防災およびNPO法人等の被災者支援活動者ほか、幅広い執筆者によって、判明した今次津波の実態、新観測システムの構築、津波警報の改善、自助・公助(避難と助け合い、地域経済の回復)、被災海岸の堤防、防波堤の復旧状況について多角的な報告を網羅している。地元の自助・公助の記事も多く掲載し、わが国の津波工学や港湾技術研究のトップが編集に関わり、広範に津波防災のあり方にせまった良書と思われます。 |
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目次・内容と執筆者 |
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2024.4.17 |
第1章 日本列島を襲う津波の脅威 ・日本列島を襲う津波の脅威 東北大学災害科学国際研究所・今村文彦 ・世界の津波災害記録と今後の南海トラフ地震津波 高知工科大学学長 磯部雅彦 第2章 津波防災を考える 2-1 語り継がれる津波の教訓 ・濱口悟陵と稲むらの火〜わが国の津波防災の起源,広村堤防〜崎山光一 ・津波の教訓から整備された田老堤防と防災教育 宮古市役所 ・奥尻島を襲った津波と,暗闇の中の避難 東北大学 定池祐季 ・世界最大水深に建設された釜石湾口防波堤(大水深の難工事への再挑戦! 短期間で成し遂げられた復旧工事)国交省東北地方地整備局 ・生き抜く力を育んだ釜石の防災教育 東京大学教授 片田敏孝 2-2 東日本大震災の教訓を未来に繋げる ・未来に繋ぐ東日本大震災の教訓 防災文化を考える 今村文彦 ・東日本大震災の津波被害を教訓とした津波警報の改善 気象庁 ・津波が船舶を被害者・加害者に変える 神戸大学名誉教授 久保雅義 ・「きたかみ号」津波体験記 太平洋フェリー(株)船長 川尻 稔 ・防波堤による津波軽減と里浜づくり (茨城県)阿字ヶ浦・磯崎里浜づくり実行委員会 会長 黒澤弘忠 ・仙台塩釜港の航路啓開〜緊急確保航路の制度化 日本埋立浚渫協会 後藤良平・元関東地整 古川正美 ・緊急排水による仙台空港の早期復旧に向けて 国交省東北地整 ・フェリーによる支援物資・要員の輸送 津軽海峡フェリー(株)大澤 潤 ・くしの歯作戦 元東北地整 三陸国道事務所 外崎高広 ・「世界津波の日」高校生サミットにかけた思い 元高校生サミット議長 和歌山県立日高高等学校卒 中井充歩 ・産学官民の連携による震災の教訓の伝承〜「3.11伝承ロード推進機構の 発足とその活動〜事務局長 原田吉信 ・ふくしま浜街道「桜プロジェクト ハッピーロードネット 理事長 西本由美子 【コラム】 ・津波を考える施設 東日本大震災津波伝承館−いわてTUNAMIメモリアル− ・各地の震災伝承施設 ・過去から現在、そして未来につなぐ防災・減災の声 〜自然災害伝承碑でみる津波災害 第3章 自助・共助・公助で取り組む津波防災 3-1 津波防災の3要素〜自助・共助・公助〜 ・東日本大震災の教訓を踏まえた津波防災の考え方 関西大学社会安全研究センター長 河田恵昭(かわたよしあき) ・津波防災地域づくり 国交省水管理・国土保全局海岸室 3-2 自助・共助を育む各地の取り組み (中略) 3-3 公助の取り組み (中略) 第4章 津波防災に貢献する世界の津波研究 ・稲むらの火から大きく変わった津波避難の技術 濱口悟陵国際賞への想い 国際津波・沿岸防災技術啓発事業組織委員会会長 稲田雅裕 ・世界の津波研究 国際津波・沿岸防災技術啓発事業組織委員会事務局 第5章 技術と絆で深める津波防災 ・濱口悟陵の堤防築造と現代社会の脆弱性 ヤマサ醤油(株)代表取締役会長 濱口道雄 ・津波防災技術の進展と展開 京都大学名誉教授 高山知司 ・南海トラフ地震津波への防災対策 高知工科大学学長 磯部雅彦 ・宇宙を利用した防災インフラへの取り組み JAXA衛星利用運用センター長 平林 穀 ・最後は人と地域の絆が命を救う 東日本大震災後の諦観論に基づく防災思想と南海トラフ地震に備える高知県黒潮町民 東京大学情報学環特任教授 片田敏孝 参考(ANNEX) 濱口悟陵国際賞 歴代受賞者 索引 |
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