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FEM入力・出力値 


平面要素の入出力値(地盤とコンクリート)
2022.10.20

 二次元有限要素法では、地山(地盤・岩盤)、コンクリート、補助工法や薬液注入による地盤改良地盤は、四辺形要素や三角形要素の平面要素でモデル化される。これら平面要素の入出力値は次表のようなものが使用されている。
表-1 平面要素の入出力値の例

記号
入力値
記号
出力値
【格子点】
[メッシュ交点]
【変位】

X座標
変位X
X軸方向変位
Y座標
変位Y
Y軸方向変位
【物性値】
[平面要素]
変位量
変位ベクトル長
ρ(γt)
単位体積重量
【応力】

弾性係数(ヤング率)
σx
X直応力
E (Dfm)
変形係数
σy
Y直応力
ν
ポアソン比
σz
Z直応力
H
厚み(通常 1 )
τxy
せん断応力
せん断強度
σ1
最大主応力
φ
内部摩擦角
σ2
最小主応力
Cr
残留せん断強度
τmax
最大せん断応力
φr
残留内部摩擦角
【破壊】

引張り強度
r/h
破壊接近度
【接触面】
[不連続面]
Fs=h/r
安全率
弱面強度(せん断強度)
R
ゆるみ係数
φ
摩擦角
【ひずみ】

φr
残留摩擦角
εx
Xひずみ
引張り強度
εy
Yひずみ
H
厚み(通常 0 )
γxy
せん断ひずみ
Ka
法線方向剛性(弾性係
数)
ε1
最大主ひずみ
Ks
接線方向剛性(剛性率)
ε2
最小主ひずみ


γmax
最大せん断ひずみ

表-2 出力値記号の符号

項  目
符  号
圧縮応力
負(−)
引張り応力
正(+)
圧縮ひずみ
負(−)
引張りひずみ
正(+)


支保工 鋼製部材の入出力値
2022.10.20

(1)鋼製支保工
 FEMでは、主に、はり要素でモデル化される。断面積、弾性係数、断面2次モーメント(断面係数Z)を入力し、軸力N、モーメントM、せん断力Sが出力される。解析値を用いて、σ=N/A±M/Zで圧縮あるいは引張りの縁端応力を計算し、許容応力度と照査する。
 一般に、軸力は圧縮が(−)で引張りが(+)、モーメントとせん断力は、着目点で右回りを(+)、左周りを(−)としている。

(2)ロックボルト
 トンネルの支保工では現在は、異形鉄筋棒 D25、SD345が使われることが多い。FEMではロックボルトは一般に棒要素でモデル化される。FEM入力値は面積(あるいは断面半径)と弾性係数、出力値は軸力Nである。軸力Nはロックボルトの使用目的によって、製品の降伏荷重や破壊荷重と比較照査される。


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