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山岳トンネル(1) CIMや変状対策


山岳トンネルにおけるCIMについて
2019.2.7
・トンネルと地下  2019年1月号 第50巻から「山岳トンネル現場におけるCIMの活用」(株)フジタ建設本部土木エンジニアリングセンター設計技術部 コ永高志ほか

 この論文の概要は次の通り。2017(平成29)年3月に国土交通省から『CIM導入ガイドライン(案)』が公表され,山岳トンネルエ事においても導入が進められている。
 CIM導入の目的は,調査・設計・施工・維持管理等に係る各種情報の一元管理,および3次元モデルを活用した業務の効率化にある。本稿では,国道45号田老地区道路工事における山岳トンネル現場を例にしてCIMを活用し各種情報の一元管理を実施した事例を紹介している。
 適用したCIMでは,5つの3次元モデル(設計情報モデル,地質・掘削モデル,切羽モデル,施工モデル,計測モデル)を有し,さらに低土被り区間の3次元FEM解析のモデル化や解析結果の反映,および切羽前方探査結果(ここではトンネル浅層反射法探査・連続SSRT)の情報を付加する機能を使用した。
 施工管理への活用としては、(1)計測値の収束判定への三次元表示による活用、(2)統合データによる切羽岩質判定会議(適正支保構造選定)の迅速な合意形成への活用、が報告されている。
 この論文では主に利点が述べられており、今後、適用通信環境の改善,三次元地質構造+トンネル構造モデルや各種のデータ入力,および全入力値の確実なチェック法に関する迅速化と省力化について詳細な報告が期待される。

矢板工法トンネルの盤ぶくれに対するインバート補強
2019.2.7
・トンネルと地下 2018年 11月号49巻  「矢板工法トンネルの盤ぶくれに対するインバート補強に関する研究」(株)高速道路総合技術研究所 前川和彦
 高速道路において,矢板工法で建設されたトンネルで供用後に盤膨れ対策を実施した事例はないが,建設後30年以上のインバートの設置が必要とされる矢板工法卜ンネルも出てきている。
 そこで,本研究では,ニーズの多い1車線規制下での矢板工法トンネルでの最適な追加インバートの断面形状を検討するために,NEXCO以外での事例およびNATMでの対策事例を参考に断面形状3案に対し,盤ぶくれ量と覆工応力の測定値を地山の強度低下で再現すべく2次元FEM解析を実施し,追加インバートにかかわる発生応力と路盤の変位量に着目し最適な断面形状を選定した。
 さらに,3次元数値解析によって、最適断面形状に対して水平打継目と側壁の鉛直目地(足付けと中間土平の打継目)をモデル化しつつ,インバート部の1施工単位を覆工1スパンの1/2(L=5.25m)とした掘り抜き施工パターン3案の検討を行い,覆工の水平変位や最大沈下量に着目し比較研究している。
 また、インバート施工時の補助工法として、一般に採用されているロックボルト事前補強とインバートストラット(鋼製支保工)に触れ、今回の数値解析には反映できなかったが,今後の実施工による効果検証が必要であるとした。


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