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プルーム・テクトニクス


プルーム・テクトニクス理論
2019.8.12
Fukao,Y.Maruyama,S.Obayashi,M.and Inoue,H.,
 Geologic implication of the whole mantle P-wave tomography.
 Jour.Geol.Soc.Japan,100,4-23.
「深尾良夫・丸山茂徳・大林政行・井上 公,全マントルP波トモ
グラフィーの地質学的解釈.地質学雑誌 第100巻 第1号(1994年1
月)p4-23.」【地質学会100周年記念特集号;地球惑星科学のフロン
ティア;地球のプルームテクトニクス及び太陽系惑星のテクトニク
スの新理論論文を掲載】
(要旨)
 『P波を使って全マントルの速度構造を記載した。その結果を世界
の表層地質と対比した結果,以下のことが明らかになった.
 P波速度の正の異常(注1)の分布域は過去2億年の間にプレートが
大量に沈み込んだ地域と一致している。またP波の負の異常(注1)
が観測される地域の上部には数多くのホットスポット火山が集中し,
地形の隆起異常が観測されている。これらの対応関係はP波の速度構
造が主として熱構造に対応していることを示唆する.
 P波速度構造を熱構造に由来するとすると,固体地球の内部には南
太平洋地域とアフリカには高温の超プリューム上昇流があり,一方ア
ジアの下には低温の超プリューム下降流が存在することになる.
 また,P波速度構造から推定された沈み込んだスラブの形状や分布
深度から,スラブは一旦670 km深度付近のマントル遷移層に滞留した
のちコア−マントル境界に向かって重力崩壊することが推測される.
沈み込みからコア−マントル境界に達するまでには1〜4億年といっ
た時間スケールが地質学的証拠から推測される.
 重力崩壊に伴い上部マントルと下部マントルの間で大量の質量交
換が起こる.マントル対流は全マントルにわたって起こるが,流れは
定常的ではなく,きわめてエピソディック(注2)なものと考えられ
る.』
当サイト注釈
(注1)P波速度の正の異常(相対的に弾性波P波速度が早い)、負の
異常(相対的に弾性波P波速度が遅い)
(注2)エピソディック:episodic,incidental.(偶発的か?)



Fig.17.Frontiers of the Earth and Planetary Sciences:
A Gallery of the Planetary Worlds
Kawakami,S.,Fujii,N. and Fukao,Y.Jour.Geol.Soc.Japan.vol.100.
No1.1994.


Fig.16a.KawakamiFujiiFukao.jour.geol.soc.japan.vol.100,No1.
1994.


Fig16.b.KawakamiFujiiFukao.jour.geol.soc.japan.vol.100,No1.
1994.




プルーム・テクトニクス

 沈み込んだプレートスラブは、一旦、深度670km付近の上部マント
ルと下部マントル境界付近で滞留し、後に下部マントル深部に重力
崩壊する。この現象をコールドプルームと呼び、アジア大陸下で大
規模に生じている。
 また、核との相互作用、化学反応的に下部マントルの部分融解が
発生し、上武マントル及び地殻に至るホットプルームが発生する。
この現象は南太平洋海膨およびアフリカ大地溝帯で大規模に発生し
ている。


全地球史としてのテクトニクス
2019.4.28
 「生命と地球の歴史」岩波新書(1998年1月)p275.
  丸山茂徳・磯崎行雄 著作
  
 地表の大規模な火成活動や大陸の分裂・分離、地球環境の激変と生物の大量死と進化は、上記のスーパーホットプルーム大きく影響を受けているとし、全地球スケールで地球表層のテクトニクスと生命・海洋・大気の変遷と進化を論じている。

 「固体地球は6400kmの半径をもち、外側の1/2半径が岩石、内側の1/2半径が金属でできている。前者のほとんどはマントルで占められ、その表面に薄い地殻がある。海洋地殻の厚さは約7kmで、大陸地殻の厚さは約40kmである。マントルは深度670kmを境として、上部マントルと下部マントルに分けられる。後者の核は、液体でできた外殻と固体の小さな内核の二重構造をもつ。」
 「これをテクトニクスの側面から見ると次の三つに分けられる。

 @プレートテクトニクスの領域:板状の物質(プレート=地殻+最上部マントル)の流れの領域
 Aプルームテクトニクスの領域:巨大なキノコ状をした物質(上部マントルおよび下部マントル)の流れの領域
 B成長する固体中心核とそれを囲む液体核のテクトニクスの領域

 それぞれが異なった時間周期で互いに孤立した運動システムをもっている。しかし、ある長い周期で連動して、互いに強い影響を及ぼすことがある。」
 地球の歴史として、最も重要な七つのイベントは次のように要約される。

 @微惑星の衝突付加によって地球の基本的な成層構造が出来た(45.5億年前)
 Aプレートテクトニクスの開始、生命の誕生、大陸地殻の形成の始まり(40億年前)
 B強い地球磁場の誕生と酸素発生型光合成生物の浅海への進出(27億年前)
 C初めての超大陸の形成(19億年前)
 D海水のマントルへの注入開始、太平洋スーパープルームの誕生、硬骨格生物の出現(10〜6億年前)
 E古生代と中生代の境界(P/T境界)での生物大量絶滅(2.5億年前)
 F人類の誕生と科学のはじまり(500万年前〜現在)






  

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