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ソ連学派の深部構造論


深部地質学の地体構造論(ベロウゾフ)
2019.2.17
 地球科学第46巻3号(1992年5月)p251-260
 V.V.ベロウソフ,プリローダ,1991.7 地学団体研究会(翻訳紹介 新堀友行)

 旧ソ連の地殻深部にいたる地球物理学的データ(地震波速度)やコラ半島の深部研究ボーリングの地質データを用いて、地殻表層の地質構造が地殻下部〜マントルにかけての透過率や熱構造によって規制されている(陸化に転化する前の造山帯である地向斜や大洋の中央海嶺は、特に地下で大きな透過率と熱の広範な分散がある)とする説、および大陸海洋化説(大陸地殻の薄化は交代作用による)、両説の提唱者であるベロウゾフ本人がその概要を解説している。
 近年、プレートテクトニクスは一般化し、中央海嶺で形成した海洋地殻は上部マントルの一部とともにプレートを作り、これが遠路大陸・島弧縁辺の海溝まで送られ沈み込む(サブダクション)とされ、プレートの沈み込みに起因し海溝型地震や火山活動が生じるモデルが広く認知されている。
 しかし、一方、地球全体のトモグラフィー解析によって、近年、丸山らによってマントル内の不均質な対流や地殻のマントルへの沈降などを地球表層のプレートテクトニクスと関連付けようとする「プリュームテクトニクス」が新理論として提唱されており、地球深部の物性と地質構造を関連付けた実質的なベロウゾフのテクトニクス研究は再評価されるものと思われる。


 ユーラシア大陸中央のウラル山脈及びカスピ海東方、西シベリアからカザフスタンにかけて、薄化した大陸地殻が分布している。



 図2 地殻と上部マントルの熱力学的状態と組成変化にもとづく地球の内生的様式の進化の模式図(部分)
 1:水、海水
 6:マントルに沈降中の大陸地殻のブロック
 7:大洋地殻変成作用を受けた上部マントルの枯渇層
 9:部分的溶融状態
 19:深部の高温ダイアピル体(アステノリス)
 20:中部マントル


海洋底拡大説についての検討
2019.2.17
 地球科学第46巻5号(1992年9月)p355-361
 「拡大しない大洋 The World Ocean without Spreaging」
  E.M.Ruditch著
 地学団体研究会(紹介 藤田至則・小玉喜三郎)

 中央海嶺で生じた玄武岩層を主体とする海洋地殻がベルトコンベアのように送り出し運搬され、海溝から大陸地殻や島弧の近くに沈み込む(サブダクション)とする「海洋底拡大説」のプレート内での実態に基づく検証が当然必要であろうとする研究が存在する。

     

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