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岩石・鉱物学的検査法


コンクリート診断と偏光顕微鏡
2014.6.21
 偏光顕微鏡によるコンクリートの観察は、0.01mm(10ミクロン)までのコンクリート組織、岩石質骨材、骨材−セメントペーストの反応関係を調べる唯一の方法です。(Nikon,Olympus・・・双眼が使いやすい)




凝灰岩の偏光顕微鏡写真 中央左の気泡集合は軽石(火山ガラス)

コンクリートの岩石記載学的検査
2014.6.21
 
 コンクリートの偏光顕微鏡写真(アースサイエンス株式会社HP)

コンクリートはセメント、岩石・鉱物質の骨材、水を混合させ、水和反応によって硬化する土木材料です。コンクリート組織は岩石記載学的な手法でその組織学的研究や検査が可能です。

 岩石記載には数mmの厚さの岩石チップをスライドガラスに特殊な樹脂等で付着させ、岩石面をカーボランダム等の研磨材で磨き、厚さ0.020mm(20ミクロイン)程度の厚さに仕上げて、偏光顕微鏡下で観察します。
 この観察にX線回折試験を併用し有害な鉱物(膨張性粘土鉱物や硫化物など)を含む骨材の同定、アルカリ骨材反応を生じやすい反応性シリカ鉱物の同定を行います。また、EPMAによる微小領域の分析結果を組合わせることによって反応生成物の同定が可能となります。

 X線回折試験の装置の仕組みと結晶質鉱物および粘土鉱物、有害鉱物の同定については次のpdfをご覧ください。

 XRD_ASR01.pdf





 Ludmila Dolar-Mantuani "Handbook of Concrete Aggregates"
 邦訳 北海道大学工学部建築工学科 洪 悦郎・鎌田英治 訳 
    

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