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津波防潮堤


防潮堤の調査設計
2017.5.30
2011年の東北地方太平洋沖地震の津波被害に対し、中央防災会議は、今次の規模のような最大級の津波をレベル2津波とし、明治三陸津波のように再来間隔100年程度の規模をレベル1津波と名付けた。現在、三陸や宮城県の海岸部では、このうちレベル1津波を対象とした防潮堤の設計、建設が進んでいる。

具体的な手法
2018.8.16
シミュレーションや歴史津波の波高から計画対象津波高さを設定し、この高さプラス1.0mを天端高さとして、耐震性能照査を行いつつ、防潮堤設計が実施されている。設計はコントロールポイントに対する法線の決定、工法の選定(傾斜堤、直立式半傾斜堤、盛土を伴わない直立堤胸壁や擁壁タイプ)を行い、細部の設計に入る。
 耐震性能照査には、レベル1地震に対する震度法、レベル2地震に対するRC構造物には保有水平耐力法、傾斜堤等の土構造物には静的照査法ALID、および動的照査法FLIPなどがある。

【設計の流れ】
1)計画津波高さの設定
2)法線計画(山付け位置)と法線・地形測量
3)形式選定;傾斜堤、直立堤(半傾斜堤、単独重力式)、特殊堤
4)基礎形式;直接基礎、捨石基礎、杭基礎、軟弱地盤対策工
5)波浪推算;5年確率波高、30年確率波高
6)仮締切工、鋼矢板工
7)液状化対策工
8)横断排水計画、柔構造樋門設計
9)陸閘設計
10)施工計画
11)住民説明会
12)県・国の設計協議
13)用地測量

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